G20各国の仮想通貨規制について、まとめてみたよ

1月29日
2018年3月に開かれる G20(20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議)で

仮想通貨への規制について話し合われるよう、フランス、ドイツが提案している。

というニュースが流れました。


今回G20で仮想通貨について議論されるのははじめてで、各国の考えで動いていた規制が一部統一される可能性もあります。

なぜ規制するのか?

乱高下する市場から国民の資産を守るため。

また、資金洗浄(マネーロンダリング)の問題が一番大きいのではないでしょうか?

資金洗浄とは、麻薬などの犯罪で得た資金の出処をわからなくすること。

資金洗浄で使えるようになったお金はテロ組織へ流れるなど、犯罪組織を潤す結果になる恐れがあります。

主要7カ国+EU、仮想通貨に対する考え

どのような話し合いになり、規制をかける結果になるのか?どのような規制となるのか?を予想する時に、現在の各国の考えが重要かと思いましたので、まとめてみたいと思います。

まず、主要7カ国が現在どのような立ち位置で仮想通貨を捉えているか?確認してみましょう。

アメリカ


自由だが、州によって自由度が異なる

基本的には大きな規制はかけていません。新しい動きを友好的にとらえ、国民にはリスクを理解した上で参加するようにと投げかけています。

税金に関して、仮想通貨にはキャピタルゲイン税を課税するとしている。マイニング報酬は採掘時の市場価格にて課税。

過去にICO詐欺などの被害もあり、認可を受けないICOに関しては証券取引法で厳しく取り締まることになっています。

ニューヨーク、ワシントンでは仮想通貨事業者にライセンス取得を課しています。かなりハードルの高いライセンスのため、該当する州から事業を撤退する業者も出ているようです。

反対に、非課税とし、ブロックチェーン技術の発展を後押ししたいと考える州も存在し、アメリカの場合は各州の考え方によるところも大きいようです。

フランス


規制に向けて動いている

2014年7月に財務省発行の声明。口座開設には身元確認を必須とする。と書かれています。マネーロンダリングを懸念しての条文だと思われます。

また、税金に関することも記載されており、資本売却利益課税、もしくは非商業課税。転売しているかしていないかによる。と書かれています。

2018年1月 フランスの経済大臣であるBruno Le Maire氏が仮想通貨の規制に関する枠組みを作成するワーキンググループを設立。

同氏は、仮想通貨の投機熱を落ち着かせ、安定した経済に持っていくことを目標とする。また、マネーロンダリングの危険性を回避する施策が必要。と話しているとのことです。

イギリス


規制に向けて動いている

2017年12月、イギリス財務省から「仮想通貨に関する規制を強化しますよ」という発表がされました。

基本的にはEUに並んだ内容に持っていく意向である。とのことで、マネーロンダリング、テロ資金調達を懸念している部分が大きいです。

参考記事を要約すると、諸外国はすでに当局によって厳重に管理されているがイギリスではできていない。

口座開設者の身元確認を徹底するように、取引所へ働きかけていきますよ。という内容でした。

参考記事

2017年9月、イギリスの金融規制監督官庁(FCA)でもICOのリスクに関して警告を出しています。

プレスリリース

消費税(20%)に関して、外貨との交換には生じないが、仮想通貨によって物品やサービスを受け取った場合は適用される。としています。

ドイツ


国の視線は厳しいが、合法である貨幣との位置付けがされている

2013年、政府は仮想通貨について、外貨でも電子貨幣でもない「プライベート貨幣」と位置づけ、国内における課税と取引については合法である。としました。

しかし、これは恐らく一旦位置付けをはっきりしておいた方がいいこと。税収を増やすため。という考えで暫定的に出されたものだと思われます。

フランスとともに前々より仮想通貨に対しての警告を内外に発しており、周辺他国同様に、仮想通貨がマネーロンダリングの温床となることを懸念しています。

日本


2017年4月仮想通貨法が施行

日本で事業を行う仮想通貨交換業者はすべてにおいて身分確認を行わなければならなくなりました。

しかし、海外の取引所で取引をすることに関して特に規制がないため、身分確認を行わないまま取引をすすめている日本人は多くいます。

交換業者に関しても、金融庁の認可を得ること。という規定が設けられました。しかし、こちらも申請さえ出していればみなし業者として運営し続けることができるものであったようです。(コインチェックなど)

税金に関して。雑所得に分類。事業所得にあたる者以外は雑所得と分類され、課税対象であると記載されました。

基本的には顧客保護の観点からの規制であり、取引自体を禁止するような規制ではありません。

麻生金融相も下記のように言っていました。コインチェック事件があったので、また変わるかもしれませんが・・・

イタリア


現在大きな規制はないが、EU加盟国であるため、EUと肩を並べていくと思われる。

2015年 イタリア中央銀行は仮想通貨は合法であり、マネーロンダリング法には該当しない。とする。

2016年9月 イタリアの税務当局がビットコインを通貨として認め、課税のあり方を取り決めたと発表。課税内容はイギリスと同じ。

カナダ


友好的

気候がマイニングに適していることもあり、中国で規制を受けた業者が流れてきているようです。

BitcoinATMも多数設置。

各国が規制、警告と暗雲立ち込める中、政府も仮想通貨を利用したイノベーションへ意欲を持って眼差しを向けています。

しかし、なんでもOKというものではなく、カナダ証券管理局(CSA)はICOに対して一部規制する必要があると主張しています。

EU


規制したい

テロ組織を常に意識した生活圏であるEUは、仮想通貨がマネーロンダリングの温床となることを懸念しているようです。

ドイツ、フランス、イタリア、イギリス(離脱していますが)の考えのもと、仮想通貨交換業、仮想通貨事業、ICOなどに対して規制をかけていきたいと考えている模様。

2017年11月、欧州証券事業局はICOのリスクに関するプレスリリースを発表。投資家、ICOを行う企業に対し、警告を出しました。

ESMAは、世界的にもヨーロッパでもICOの急速な成長を見ており、投資家がICOに投資する際に抱える高いリスクを認識していない可能性があると懸念しています。さらに、ESMAは、ICOに関与する企業が、関連する適用可能なEU法を遵守しないで活動を行う可能性があると懸念しています。

参考サイト

規制する必要はないと考えている国はない

主要7カ国+EUの中に、規制する必要がない。と考えている国はない。ということがわかりました。

各国の動きから予想するに、

  • 仮想通貨の匿名性(テロ資金調達を阻止するためにどうしたらよいのか?)
  • ICOのリスク
  • 仮想通貨交換業のあり方

について話し合われるのではないでしょうか?

他12カ国の立場

主要7カ国以外の国はどう考えているのでしょうか?

禁止、規制(規制検討中)、自由に分けて考えてみたいと思います。

禁止している国


中国

当局は2017年9月にICOを禁止。これにともない、中国国内の仮想通貨取引所は閉鎖に追い込まれた。

また、2018年にはマイナーへの規制も行われることに。実質事業継続は困難となり、閉鎖、もしくは海外へ移転するかたちとなっている。

どちらも市場の暴落を呼びました。

中国の規制は自国の経済のため、そして消費電力の問題もあり、今回G20各国で一斉に中国のような規制がされることになるか?といったら、別物であるようには感じています。

インド

インド中央銀行の執行役員が「支払いや決済に仮想通貨が使われるべきではない」と言及。

ブロックチェーン技術については、好意的な目でみており、今後も市場は拡大していくだろうとしています。

インドネシア

2017年12月、政府は新規制のもと、決済に仮想通貨を使用することを禁止すると発表しました。

仮想通貨の使用、新規制で禁止に インドネシア中銀

規制している(規制予定)国


ロシア

ロイター通信は、1月25日、ロシア連邦財務省が仮想通貨取引に対する規制を制定する準備を進めていると報じた。

テロなど犯罪組織の資金調達の温床となることを懸念し、以前から禁止に向けて動くつもりだ。と公言していたロシアだが、市場の拡大をみて規制に止める結論になったようです。

ブラジル

ブラジル仮想通貨投資を規制

個人投資家への禁止はしないものの、ブラジル国内で活動するファンドは投資として仮想通貨を直接購入することは認められない。としています。

メキシコ

仮想通貨を通貨とは認めない姿勢。

自国の通貨が不安定であり、仮想通貨への流出も懸念している。また、まだまだ治安のよいとは言えない国の状況であり、犯罪の温床となることも懸念。

2017年9月より、中央銀行の管理のもと、規制されるべきと発信されているが、明確に規制内容は決まっていない様子。

オーストラリア

2017年10月、オーストラリア当局はマネーロンダリング防止及びテロ資金対策法(AML/CTF – Anti-Money Laundering and Counter-Terrorism Financing)法案の改正を進めていると公表。

仮想通貨取引所も対象業種に盛り込まれることになりました。

韓国

1月30日に実名口座での仮想通貨取引がスタートしたばかりです。こちらもマネーロンダリングを排除するためと思われます。

禁止?規制?と報道に踊らされましたが、今のところは規制。年齢制限や限度額設定などもあるようです。

サウジアラビア

ブロックチェーン技術を用いた国際送金について、試験運用を開始するなど、意欲的ではあるが、ビットコインをはじめとする制御不能な仮想通貨に対しての規制は必然だという姿勢を示している。

トルコ

具体的な法案は通っていないが、昨年秋よりギャンブル性、マネーロンダリングへの懸念などから国民にむけて何度か警告をだしている。

また、トルコ宗教局からは「仮想通貨はイスラム法に適さない」という見解も発表されています。

友好的な国


南アフリカ

交通違反切符の支払いもビットコインで行える。というくらい、ビットコインが広く普及しています。

金融インフラが発展途上であるため、不安定な通貨から仮想通貨へ資産を移動しているとも考えられます。

政府は規制には乗り出しておらず、技術の取得に関して国際協力を求めています。

 

アルゼンチン

ビットコインATMの設置が劇的に増える。先物取引所への上場準備がすすめられる。など、好意的なニュースが多いイメージです。

規制に関しては今のところ検討されていない様子。

経済が不安定でハイパーインフレの起きているアルゼンチンでは、仮想通貨の需要が大きくあると考えていいかもしれません。

規制はある 犯罪抑制の為には必要か?

規制。というと、全くすべてが禁止されてしまうようなイメージをもち、投資している側からすると良くないものだと感じるかもしれませんが、

各国が考えている規制はブロックチェーン技術や仮想通貨の存在を否定するものではなく、

これから市場が拡大していく中で、悪い方向へ進まない為の規制。だと考えていいように思います。

大きい問題はテロ組織への資金流入。ICOを使った詐欺。コインチェックのような取引所などを攻撃するハッキング。

これらから消費者、国民を守る為にどうしたらよいのか?

話し合いがもたれるのであれば、専門的な知識を交えて、有益な会議にしてほしいなと思います。